不動産高騰を続ける香港で 殺到する公営住宅入居申請
写真は香港の人気観光スポット「彩虹邸」。これは香港の低所得者層向け公営住宅のひとつで、「香港で最も美しい建物」とも言われ、昔から人々に愛されてきた。このような公営住宅(広東語では公屋と称される)は香港全体で約79万戸あり全港人口の45%を占めているという(2021年データ)。香港の不動産価格はニューヨークを超えたというデータもあるほど高騰している昨今、公営住宅への申請が殺到しているという。
ある香港人は申請から入居までに10年待ったといい、現在では3LDKに毎月2,000香港ドル(約4万円)の家賃で住んでいるという。平均でも5~6年の待ち時間が必要と言われ、住宅のタイプも分譲、賃貸タイプなどさまざまだ。香港では市街地の一般賃貸マンションを例にとると、2LDKで1~2万ドル(20~40万円)以上と言われているので、公営住宅の家賃は非常に魅力的だ。現在、政府はこの公営住宅の建設ラッシュを引き続き進めており、主に高齢者や新生児のいる家庭が優遇される。
なお、昔ながらの公共住宅はそれぞれ建築デザインが異なり、なかにはその趣深さから香港人やツーリストの間でインスタスポットとして注目されている。街歩きの際に新たな発見があるかもしれない。