香港デリバリー業界 Kee TaがシェアNo.1へ
Covid-19のパンデミックでフードデリバリー産業が発展し、アフターコロナの後では、デリバリー業の各会社が生き残りをかけて独自の戦略を打ち出している昨今、香港マーケットに新規参入したばかりのKee Taが爆進撃を展開している。
北京に本社を置く美団(MeiTuan)は大陸で口コミグルメサイト大衆点評も運営している最大手のオンラインプラットフォーム。同社が満を持して香港に参入したのが2022年末だ。その前年Uber Eatsが撤退したばかりの香港デリバリーシーンは、FoodpandaとDeliverooの二大巨頭だったが、ここへ大陸で成功を収めているKee Taがどのように他社に打ち勝つのか、ネットユーザの中には否定的な声が多かった。
なぜなら香港の人件費の高さが問題となっていたからである。Kee Taは低価格帯を打ち出し、送料無料キャンペーンを頻繁に行うなど、物価や人件費の高騰を度外視する戦略に出た。そして参入からわずか1年半ほどで他社を抜き、オーダー数ベースでマーケットシェアNo.1を獲得したのだ(Kee Taが44%、Foodpandaが35%、Deliverooが21%)。Kee Taの平均消費が102香港ドルに対し、他社は170〜180香港ドルと明らかな違いを露呈している。
また、メディアではKee Taのドライバーの1ヶ月の報酬が4万香港ドルにものぼると報じられた。一日10時間労働での数字だが、労働者数が足りない香港では、人件費を上げてでも人員を確保するのに企業も手を抜かない。同社のもうひとつのスローガンが「配達予定時刻を15分以上遅延すると購入金額同等の補償を約束する」というもの。そのためドライバーの教育や表彰制度を整え、意識向上をはかっている。
Kee Taは現在、中東のサウジアラビアでもオンラインプラットフォームサービスを開始した。人目を引く黄色いアイコンを世界中で見る日もそう遠くはないのかもしれない。
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