【香港ローカル ニュース Vol. 158】
予算案:財政赤字は1,398億香港ドル、予備費は8,173億香港ドルに減少の見込み(1香港ドル=約17.3円 ※2023/03/01現在)
財務長官の陳茂波氏は、「今年1,000億香港ドル以上の赤字を記録した政府が、来年度予算も『赤字』が続くのは必至」との見通しを示しました。
22日、陳氏は新予算を発表しましたが、当初の563億香港ドルの赤字の約2.5倍となる1,398億香港ドルの巨額赤字を記録することになりました。
大規模な景気対策とコロナ関連支出により、修正予算の政府支出は前年比約17%増の8,096億香港ドルになりました。
政府収入総額は、一部の用地が低価格で落札され、入札が中止されたため、土地保険料や印紙税などの収入が予想を40%下回り、約16%減の6,038億香港ドルにとどまりました。
来年度の政府経常支出は3.3%増の5,062億香港ドルで、社会福祉、保健、教育を合わせると全体の59%近くを占めます。そのうち社会福祉支出は約14%増加しましたが、保健支出は約18%減少しました。
財政政策を「中弛み」と表現した陳氏は、「544億香港ドルとされる来年度の赤字を黒字化するのは難しいが、2024年から25年までの4年間で黒字を計上できるだろう」との見方を示しました。
3月末時点で政府の外貨準備高は8,173億香港ドルで、新年度は約650億香港ドルの国債発行と合わせて544億香港ドルの赤字となる見通しです。
また、来年の財政準備金は7,629億香港ドルで、これは政府支出の12カ月分に相当し、2027-2028年度には政府支出の14カ月分にまで改善される予定です。
陳氏は、「今年の経済成長率はマイナスからプラスに転じ、実質成長率は3.5%から5.5%、2024年から2027年までの年間平均実質成長率は3.7%の見込みと楽観視している」と述べました。基本的なインフレ率は平均2.5%と試算しています。
また、これからの時期はキャッチアップ型の経済成長を続け、「支出は収入の範囲内にとどめ、必要なところには支出する」方針であり、収入を得るために国債発行などの手段を検討するとしました。
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