【香港ローカル ニュース Vol. 90】
今回は、前回(http://kyicpa.com/2021/08/26/local-news-0140/)に引き続き、「ポストコロナ」に関する三つ目の記事をご紹介します。中国政府 『第十四次国家五年計画』ガイドラインに一章をさいて香港の「管理」のことが述べられているという記事です。
《 以下の記事は、中華人民共和国国務院直属機関である港澳辦=香港マカオ連絡事務所という中国中央政府のスポークスマンが香港を国家の五年計画に組み込む計画を発表した際のコメントをそのまま政府所有の放送局が記事にしたもので、ある意味、香港に許される「高度自治」がいったいどれほどの自主性を持つものなのかを知る一つの材料となるでしょう。 》
■三つ目■
香港マカオ事務連絡室副主任 黃柳權「キャリーラムの統率で特区政府は香港をより良き発展に導く」
〜RTHKラジオテレビ香港(政府所有の放送局)2021年8月23日(月) 午前12:09から〜
香港マカオ事務連絡室(北京政府直轄のリエゾン事務所)副主任の黄柳権は、香港特区政府開催の国家『十四五計画綱領』(第十四次中華人民共和国国家五年計画のガイドライン、以下『十四五』)の発表勉強会に参加して挨拶を述べた際に、『十四五』は国家発展の方向性を明らかに政府活動の重要事項を明確にした、国家の偉大な青写真であると形容し、また中央政府が一貫して香港の経済発展を市民生活の改善を大きな関心をもって見守ってきたこと、香港市民を絶えず心に掛け、特別に香港の章を設けて、金融・貿易・技術革新・法律サービス・文化芸術交流などの方面などから、香港が国際競争力を高め強固なものとすると同時に、国家発展の一大事業に溶け込むことを支持するとしている。
『十四五』に描く、中国国内の需要を満たす経済サイクルと、国際社会の需要を満たす経済サイクルの二つの歯車。相互に投資し合うことを前提としていることが窺える。
黄柳権の語るところによれば、「『十四五』は重要な発展のチャンスを与えるものであり、行政特区政府高官は行政管理と特区開発を首尾よく行う職責を担っており、香港経済が発展を維持する後押しとなっており、社会が全体的に進歩するなどの方面で責任は重大であるとしている。さらに、国家の『十四五』計画を受け止めるということは単に政策や産業・市場を連結させるだけでなく、理念や方針の軌道を一致させることをも包含している」と話している。黄柳権は香港マカオ事務連絡室主任の夏寶龍の弁を引用して、「香港特区を統括するものは全面的かつ正確に一国家二システムの方針を貫徹し、香港発展する上で直面する矛盾や問題を解決し、民衆のために実体のある行政を行い、各方面の力を団結させてその職を全うすべきだ」と述べている。
同氏はまた、「『香港国家安全法』の施行以来、香港政府の働きを見て喜んでいる」と述べている。この働きとは、特区政府が国家安全擁護および社会安定の法的責任を果たすことで社会各方面での紊乱を正す推進力となっていること、新型冠状ウイルスの感染防護と景気回復、また広東・香港・マカオグレーターベイエリア構想計画の建設に積極的に取り組み、さらに経済的な市民生活の重層的な問題を突破するために努力していること、避けては通ることのできない問題にも進取の精神を示していること、行政長官林鄭月娥(キャリー・ラム)のリーダーシップの下で特区政府が各業界を牽引して一国家二システム(社会主義の中華人民共和国に社会主義と資本主義を共存させる試み)のメリットを引き続き発揮し、香港をより良き発展に進めていっていることなどである。
ニュースソース:
《社会主義国ならではの計画経済の枠に資本主義経済を実施して来た香港を組み込むものとなる《十四五規劃綱要》。本来、英国植民地政府下でレッセフェール(政府不干渉)の極端な形で運営されてきた香港政府の経済政策は、いまや中央政府の舵取りで方向付けがなされる。》
以下は、《十四五規劃綱要》の中国語・英語全文を掲載する政府の公式サイト。
中国語:https://www.info.gov.hk/gia/general/202108/23/P2021082300633.htm
英語:https://www.info.gov.hk/gia/general/202108/23/P2021082300628.htm?fontSize=1