【香港ローカル ニュース Vol. 56】
台湾へ密出国の12人、手紙にて家族を代理に立てて有罪を認めるか。香港にいる家族らは、この申し立てが自主的なものではないのではと疑問視
民間漁船に乗って台湾への政治亡命を図り、公海に出たところで中華人民共和国の国境警備隊に逮捕されて中国大陸で拘留中の香港人12名の事件に関して、その家族が示すところによると、「最近、大陸の国選弁護士からの電話連絡を受け、拘留中の香港人が関与する香港での起訴内容の詳細について審問された」とのこと。
同時に、家族の全体写真を要求されたり、拘留中の香港人が両親に宛てて代理で香港の法廷に出向き有罪を認めるよう手紙で頼んできたりと、家族らは「これが自主的なものではないのでは」と疑念を抱いている。
当の大陸に拘留中の香港人12人の家族は、「ここ数日来何度も国選弁護士と名乗るものから電話を受けており、その度に筆記記録をしていたところその数は12回に上る」と言っている。電話での会話では違法越境の事案とは関係のないことまで質問を受け、そうしたことには拘留されている香港人が香港でどのように(別件で)起訴されているかについての詳細などを含んでいた。
黃偉然さんの母親のコメント:「なぜ国選弁護士がこんなにたくさんの事を尋ねてくるのか、香港での別件起訴内容は今回うちの息子を弁護することには関係ないといっているけれど、それなら、なぜ電話で何度も何度も、くどくどだらだらと、何時間も長電話を掛けて来るのか、今度の違法越境事件に関係ないなんて、まったく訳がわかりません」。
李子賢さんの母親のコメント:「国選弁護士がWeChat(=微信、大陸版のLINEのようなチャットアプリ)で初めて連絡して来た時、何度もうちの家族全体写真を出せと言って来ました。「そちらのことをあたしは信じられない」と言うと、あちら側は『今の段階では我々が何者かをどうでもよい。我々の身分も重要ではない。一番重要なのは家族の全体写真を差し出すことだ』と言ってきたのですけど、WeChat上の言葉遣いはすこぶる不快なものでした」。
李子賢さんは香港では暴動罪および警官への暴行罪で起訴されているが、李さんの両親は息子からの手書きの手紙の二回目を受け取り、その内容では看守からの虐待もなく、生活は良好であり、さらには自分の代理で香港での起訴罪状を認めるよう家族に初めて頼む内容までが書かれていた。
李子賢さんの母親のコメント:「どういう状態なのかわかりませんけど、親を通じて罪状を認めるような内容で、うちの息子に手紙を書かせるようにすることは出来ます。虐待を受けているのかどうか、わかりません」。
李子賢さんの父親のコメント:「大陸本土と香港の司法制度は違うと思います。私達にこちら香港ローカルの弁護士を雇うように頼んで、わざわざ香港での罪状を認めるようなことを息子が手紙を書いて言って来たのはどうしたことでしょう」。
家族らは当局に対して要求を出し、取調べの進捗状況を尋ねると同時に公開された取調べの元で家族に傍聴できるよう手配することを求めている。また、香港の入管当局と中央政府香港マカオ駐在連絡事務所にも、自分たちの返信が確かに現在拘留されている者の手に届けられるように要求を出している。
ニュースソース:【Now新聞台】2020年12月12日 18:28