【香港経済を追え vol. 33】
香港財務長官:今年度の財政赤字が3,000億香港ドル超え、政府の記録上最大規模
財政長官 陳茂波は、来年度予算の諮問作業に入ったとし、「香港政府の財政貯蓄の消耗が急速に進み、今年度の赤字は3,000億香港ドルを越えると予想しており、さらに進む経済後退のため緊縮財政をどのように行うかを検討中」と述べた。
新型コロナウイルスの流行下、財政長官は予算諮問作業の大部分をネット上で行っている。今年度、政府は3,000億香港ドルを超える赤字を抱えているが、これは赤字規模でこれまでの最高で、現在の経済後退のサイクルで財政貯蓄の消耗のスピードが速く、年度初で政府支出の23か月分あった財政貯蓄が一年間でわずか約14か月にまで急減したと長官は述べる。
また、いずれの経常支出もいったん複合的な増加を始めると、政府の財政に長期的な影響を及ぼすのは確実であり、予算の追加には特に注意が必要。近年の政府の経常支出は加速的に上昇しており、2020/2021年度には5,000億ドルレベルに達する予測をしている。
しかし、ここには、今年初めから進められている市民生活への措置は反映していない。たとえば公共交通機関を2ドルで利用できる高齢者優遇の年齢制限が60歳に引き下げられ、このひとつだけをとっても一年に渉る追加経常支出は60億ドルに達する。
次年度予算編成の初めの時点で、各機構にはゼロ上昇を維持するべく指示を出してあり、積極的に財政政策を維持し、土木工事支出など増大する需要を通じて、経済的調整の圧力を緩和していくと、長官は述べる。
しかし次年度の政府全体の支出増と収入減は避けがたい状況となっており、税務政策チームが支出引き締めをどのように行なうかを検討中であり、また米中関係の変化など国際局面のさまざまな変数からも香港経済が影響を受けることを財務長官は強調していた。
ニュースソース:
【Now新聞台】2020年12月6日 12:11 香港財政長官のブログによる記事