【香港ローカル ニュース Vol. 45】

香港では新型コロナウイルスの感染が拡大し、第三波が起きている模様。感染経路が探索不能な感染確認のケースが数十件見つかっており、小中学校が再び休校となり、一部民間企業では無給の休暇を従業員に取らせるところもあると報告されている。政府による強制力のある外出禁止令が出るといううわさがあったが、21日の時点で香港政府の張竹君が当分はそのような措置を取ることはないと否定声明を出している。

▶︎香港での新型コロナウイルス感染拡大の現状

【その1】

出典元:‎【Now新聞台】7月20日新型コロナウイルス感染状況一覧(ネット上では随時更新)

7月20日 23:10更新分
https://news.now.com/home/hot/player?newsId=398618&hot=1

香港政府衛生防護センター(Centre for Hygiene Protection)が2つのテスト結果を間違えて、陰性反応の者と感染確認者を7時間同じ病室に配置した。

政府官報では、各種ソーシャルディスタンスにかかわる措置を来週火曜日28日まで延長(レストランでの飲食を午後6時までとし、それ以降は持ち帰りの食品販売に限る措置も含む)。

香港M T Rは、水曜日22日から多くの路線で非ピーク時の運行数を減らす予定。

『フランス・サッカー』(週二回発行の雑誌)は新型コロナのため今年のゴールド・ボール賞の大会をキャンセル(Il n’y aura pas de Ballon d’Or France Football en 2020「2020年はバロン・ドールがないだろう」 https://www.francefootball.fr/news/Il-n-y-aura-pas-de-ballon-d-or-france-football-en-2020/1153942

香港では新たな感染確認が73件増え、そのうち66件はローカルでの感染、7件が外からの帰国者。

中央図書館の職員1名が感染確認されたが、勤務中に一般市民との接触はなかった。

紅磡(ホンハム)シビックセンタービル〔地方議会運営の公民館〕の清掃請負業者の職員1名が感染第一次確認される。

香港 M T Rの九龍湾車庫工場で働く派遣社員が感染確認され、M T Rは密接な接触のあった者に対する検査実施を決め、同時に工場や社員食堂などを殺菌消毒する。

民政事務総署(Home Affairs Department)〔地域社会の生活向上や広報活動を行う政府部門〕が必要な高齢者に食事セットの配給を開始。東九龍区では黄大仙、慈雲山、彩虹などの公団住宅、60歳以上の独居老人また-は高齢者夫婦の家庭に食物を配給するもの。楽善堂のホットラインでも受付中:5485-1633, 5643-2936。

【その2】

出典元:【Now新聞台】7月21日新型冠狀病毒疫情消息一覽

更新21:15分

香港政府は、これから数日以内に外出禁止令が出るというのは全くの噂であり、きっぱりと否定した。

香港での感染確認者は61件増加し、58件はローカルでの感染と判明している。中でも、旺角(Mong Kok)の稲香レストランの感染クラスターで4名、屯門富臨レストランの感染クラスターで、それぞれに感染が新たに見つかっている。

老齢者の‎診察随行者(medical escort)1名の感染確認。社会福利署は関連する老人ホーム居室部へのテスト実行を指示した。

イミグレーション(入境処)は、今週土曜日25日以降に香港到着の住み込みの家事手伝い外国人について、雇用主がウイルステストと隔離期間のホテル検疫を保障しなければならないと指針発表した。

張竹君〔政府衛生署衞生防護センター伝染病処チーフ〕:「感染確定者数が伸び続ければ、検疫センターはパンクする」。

衛生署は病状が現れていない市民に、ウイルステストのために外来診療へ殺到して需給負荷を高めないようにと呼びかけ。

感染拡大の中、幼稚園・就学前教育施設の児童受入れ数は8割に落ち込む。

G8各国は公開状を通じて、新型コロナウイルスのワクチンが全世界で平等に分配されるようにと促した。

新疆ウイグル地区のウルムチで新たに7件のローカル感染事案が発見され、全市で無料のPCR検査が実施中。

更新14:00 分

https://news.now.com/home/local/player?newsId=398742&catCode=123&topicId=1031

新たに新型コロナ感染確認者2名が死亡。そのうち77歳の男性はクラスター発生のあった慈雲山〔Tsz Wan Shan, 70年代から始まった郊外大型公団住宅があるところで、山登りハイキングを終えた人々が食事などの為に必ず通る地区)の住人で、87歳の男性は港泰護老院〔老人ホーム〕の入居者だった。これで死亡例は累計14人。


更新:香港ローカルでの感染確認者は新たに80件増加。

更新:東区医院(香港島東端の総合病院)E8外科病棟に入院していた患者からさらに感染確認者が出る。これとは別に、妊娠35週間目の妊婦も感染確認と初期判断された。

医院管理局:病状の安定している患者を「二線」〔緊急処置対応を必要としない〕のベッドに移し、「一線」〔厳戒態勢で取り組む重篤な患者用〕のベッドに空きを作る。

梁子超〔香港伝染病学会顧問委員会代表者〕:政府は大陸の企業と交渉して、合同の新型コロナウイルスの集団テストを実施すべき。大陸では新たに11件の感染確認があり、そのうち8件は新疆ウイグルから。
東京都では新たな感染確認が230件に上る予想。

※下記のグラフからわかることは、7月19日現在で、空港、香港マカオ珠海をつなぐ自動車道と列車の架け橋、深圳(シンセン)湾[以前の名称は、蛇口フェリーターミナル]の3つにおいて、香港から大陸に出て行った香港住人の数が大陸から香港を訪問する人の数を上回っているという点。ある報道はこれを香港から大陸へ「避難する」人が増えていると述べるが、「香港住人」という括りの中には、つい最近になって大陸から移住許可をもらって香港に移って来た大陸出身の者もカウントされるので、本来香港で生まれ育った香港人が大陸へ避難したとは考えにくい。 




以下は7月19日現在(20日発表)

以下は7月20日現在(21日発表)


【その3】

感染拡大防止の隔離病棟の稼働率は76.8%。医院管理局はこのままでは1、2週間で医療崩壊することを危惧。

出典元:【Now新聞台】7月20日

https://news.now.com/home/local/player?newsId=398697&home=1

香港での感染確認者は73名が新たに見つかり、そのうち66件はローカルでの感染。このほか46人が第一次テストで陽性判定。屯門Tuen Munの富臨酒家レストラン、また旺角Mong Kokの維景酒店Metro Park Hotel〔これはSARSの際にも感染者が出て封鎖されたツーリストホテル〕で新たなクラスター感染が発見された。荔景Lai Kingの紀律部隊〔警察と別個の公務員組織で安全保護・救急活動などを行う〕の既婚者用家族宿舎でも9人の感染確認があった。公立と半官半民の病院を統括する医院管理局は隔離施設への負担が大きいことを認めており、もしこのまま感染事例が増加すれば1、2週間で受入れ上限を超えると憂慮している。

73名の感染確認者のうち、ほとんどがローカルでの感染例で、27人は感染経路が不明、ふたたびレストランを通じた感染グループが出たことで、感染者は香港全域の異なる場所に分布している。

衛生防護センターは先に感染確定された患者三名の感染経路を捜索して、今月11日に屯門Tuen Munセントラルパーク商店モールの富臨酒家レストランで20テーブルを含む大型誕生日パーティに参加していた。同時にこのパーティーでは更に二人の感染者が見つかった。これとは別にパーティー参加者ではないが、同レストランに飲茶(ヤムチャ)に来ていた二名感染確認されている。

旺角(モンコック)のメトロパークホテルの海港酒家ヴィクトリアハーバー中華レストランのほうは、6名の感染確認者が異なる日付で食事をしていた。衛生防護センターは環境汚染や従業員の感染を憂慮しており、ホテル側に対して大規模な消毒洗浄と従業員へのテストを求めた。

ここ最近、十数名で葵芳Kwai Fong〔新都會廣場Metroplazaショッピングモール〕の潮庭Chiu Chow Garden〔中華レストラン〕で会食した後、そのうちの1名が荔景Lai Kingの紀律部隊の既婚者用家族宿舎を訪ねており、ここでも3人の感染確認者が出ており、クラスターでの感染者が9人にまで増えた。ただし、紀律部隊メンバーの感染者は現在までにはない。

衛生防護センターは、〔2週間以上に渡って〕毎日感染者数が伸び続けるならば、外出禁止令も考慮すべきとしている。

牛頭角Ngau Tau Kokに住む男性患者は感染確認される前、先週の火曜日に銅鑼灣(コーズウェイベイ)の開業医クリニックで診察を受け、その医師も感染したことが確認されており、また北角North Pointの嘉頤護老中心Care & Services Elderly Centre〔デイケア&養老院〕でも診察を受けており、衛生防護センターはこの人物が接触した同養老院の利用者を追跡中。

この他、黃竹坑Wong Chuk Hang東華三院賽馬會院舍TWGHs Jockey Club職員宿舎でもケアテイカーが感染確認された。先週クラスター感染が起きた南朗山護老中心朗逸居‎〔香港島南側の黄竹坑南朗山にある、東華三院グループと香港ジョッキークラブ共同経営の介護サービスつき高級老人ホーム〕で勤務していたことがわかっている。

公立病院隔離病棟の稼働率も7.6割にまで上がっており、医院管理局は隔離施設への外圧が高いことを承知しており、二線(緊急警戒度が上から二つ目)の病棟を拡大するとともに、鯉魚門コミュニティーセンターの隔離施設を使用開始し、患者をスムーズに振り分けていく。

張竹君:市民はこの1、2週間は出来るだけ家の中に留まるよう。そうでないと医療崩壊の恐れあり。(2020年7月19日 20:06更新)

出典元: https://news.now.com/home/local/player?newsId=398580

【Now新聞台】

香港での感染確定者は108件に増えた。ローカルでの感染は83件。その過半数は感染経路が不明。衛生防護センターの指摘では、感染確定者の多くが頻繁に人と集まる所へ出入りしており、追跡調査がかなり困難であり、ウイルスが地域社会に拡散するのを容易にしている。重ねて市民に外出しないよう呼びかけている。そうでないと医療崩壊する可能性がある。

衛生防護センターは、締切時間を追って公表する感染確定者の数を刻々更新しており、深夜零時までの8時間までの短時間で108件の確定事例が報告され、零時を過ぎてからも60件あまりの感染確定または一次段階の感染疑いの事例があった。

単独一日の感染確定者数は記録最高となり、ローカル感染事例がその大多数を占めており、83件。すでにある感染クラスターでも引き続き新たな感染事例が出ている。慈雲山中心Tsz Wan Shan Shopping Centre内のレストラン薀莎餐廳Windsorではまた従業員と家族の感染者が見つかった〔レストランガイドアプリのOpenriceでは「内部改装中のため休業」と表示が出ている〕。その東側に当たる新蒲崗San Po Kong〔旧香港国際空港のあった啓徳の南側〕捷菁乒乓球中心Victory Table Tennis Sports Centerではまた一人感染確定者が出た。

旺角Mong Kok雅蘭中心Grand Plazaの中華レストランのクラスター感染では、百人~二百人の多勢が一度に会食をしており、数十人がマスクを外した状態で歌を歌い、ダンスをした模様で、4名の感染確認の後、更に39歳女性一名が感染確認された。会食自体が伝染防御の規定に違反している疑いがあり、起訴するか否か当局が捜査中。

衛生防護センターの述べるところでは、感染事例が多くなって追跡調査が増え続けている一方で、多くの人が会食したりマージャンをしたりしており、重ねてこの1、2週間市民には外出を控えてもらうよう呼びかけている。そうでないと医療システム崩壊の危険がある。

感染事例が増えるほどに、衛生署の検査所の負担が増大し、大量のテスト用サンプルが滞留し、病状が出ているもの、病院や開業医クリニックから転送されてきたサンプルを優先処理しており、その他の感染者の出た住居ビルの住人からランダムサンプリングされたものはもっと時間がかかるかもしれず、市民には郵送でサンプルを送って来ないよう求めている。医院管理局は、重篤な患者は19人に増えており、13人は呼吸器を必要としており、その大部分は高齢の患者だと明かしている。