【香港ローカル ニュース Vol. 38】

2022年をメドに、M P F(強制退職積立金)の新たなデジタルプラットフォーム「積金易 eMPF Platform」の開発が現在進められています。給与所得者の資産活用をはじめ、また運営側の業務の簡略化など様々なメリットが見込めそうです。

一方、昨年6月から長期化しているデモ活動に対する香港警察の対応に関して、デモ参加者及び香港市民へのアンケートが行われ、多くの不満を持っている事が改めて浮き彫りになりました。

▶︎香港MPF(強制退職積立金)資産は8600億ドルに達する。政府はMPFのプラットフォームを簡易化して2年後に運用費用削減を図る

【on.cc 東方日報電子版コラム】

財務経済および歳入庁局長の許正宇は自身のブログにて発表し、「MPF制度実施が20年に達し、給与所得者の4分の3を保障の下に置いている」とし、「今年3月までで、MPFの総資産は累積で約8600億ドルに達成しており、これは政府の財政備蓄額のおよそ8割に当たる大きな資産である」と言っている。同氏が指摘するところでは、政府とMPF管理局は「積金易」というシステムを準備中であり、目標では2022年までにこのプラットフォームを立ち上げ、MPFの運営費用の削減を図る。

同氏のブログでは、「MPFは定年退職の保障提供だけでなく、香港が国際金融センターとしての機能を強固なものをすることと密接に関係しており、持ちつ持たれつの関係性といっても過言ではなく、香港が低金利の状況に面している状況にあって、豊富な投資商品の共生圏を更に必要としている時であり、MPF管理局も同様の構想を持っているとの楽観的な予測から、定年退職後の投資プランのフレームワークの開発を議論していく」と言う。

同氏はまた、業界が、給与所得者が積立と取崩しの段階での投資で必要とする退職後プランを研究開発するよう鼓舞しており、たとえばインフレ時に投資機能を強化したプラン、中長期で確実な利回りを確保するプラン、あるいは、取崩しの段階で緩やかな現金化をするプランなどや、さらにこれにはより多くの保守的な商品(ファンドマネージャの戦略的な関わりが少ないファンド商品)、たとえばETF(証券取引所交易ファンド)や経済指数追跡型ファンドなどが含まれる。

同氏が触れているが、MPFの運営費を抑えるために、香港政府とMPF管理局が現在準備中しているのが、「積金易 eMPF Platform」というもの。これはワンストップで簡単に使えるデジタルプラットフォームで、MPFの管理事務を簡単、正確に行うもの。目標は今年の後半に契約の批准を行い、2022年にはプラットフォームを立ち上げ、随時段階的な始動をする予定。

MPF管理局のサイトでは、この構想を「革命的な変革」と形容している。

参考:http://www.mpfa.org.hk/tch/information_centre/cp/index.jsp

出典:on.cc 東方日報ネット版2020年5月17日
https://hk.mobi.yahoo.com/news/%E6%B8%AF%E5%BC%B7%E7%A9%8D%E9%87%91%E8%B3%87%E7%94%A2%E9%81%948600%E5%84%84-%E6%94%BF%E5%BA%9C%E5%86%80%E7%A9%8D%E9%87%91%E6%98%93%E5%B9%B3%E5%8F%B02%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E6%88%90%E7%AB%8B%E6%B8%9B%E8%A1%8C%E6%94%BF%E8%B2%BB-122800657.html

▶︎インタビューで、デモ参加者や市民の98パーセントが「香港警察のデモ処理方法に不満」と回答。

調査結果は、90パーセントを超える警察官が、勤務時に情緒的にネガティブな思いを抱いたとインタビュー回答。
専門家は警察暴力の激化を憂慮している。

【本文より】

去年6月から突如始まった引渡し条例改定反対の運動は、デモ活動がエスカレートした中期には、大規模な警察の武力行使への反政府運動に変わっていった。頭を地中に突っ込み耳を塞いで、ダチョウのようだと揶揄されていた行政長官キャリーラムは警察隊の武力乱用を認めていなかったが、警察監督会が中文大学に委託調査した結果ではむしろ、警察の何が一番不満であったかといえば、デモ後期の行為が最重要要因であることがわかった。市民の意見では、デモ参加者のイメージを悪くしたであろう過激な行為の中でさえ、「警察への応酬」はランキングの下から2番で、空港アクセスの妨害や、「青ラベル(政府支持)」企業や個人事業者の「内装工事」(破壊行為を避けるための一時休業)に及ばなかった。

特定個人への攻撃が及ぼす影響

警察監督委員会の報告は依頼調査を行った中文大学の発したメッセージと市民調査センターがおこなった『香港条例改訂反対運動内の民意状況の研究報告』を収録している。報告書は201ページの及ぶ長さで、デモの各場所でデモに参加した人々と、一般の市民との、2つに分けてインタビューをしている。デモの波は逃亡犯引渡条例の改訂案への反対として起こったが、その矛先は直ぐに警察の権威による暴力への反対へと変わっていった。多くの政治的スローガンの中、デモ参加者の賛同を集めたのは、「暴徒などない。暴政があるのだ」「香港警察は、法を知りながら法を犯している」の2つ。

報告書は、警察の倫理的な態度にどう抗議するかがデモ運動の一貫した焦点のひとつだと指摘しており、「デモを処理するやり方に不満」(84.6%〜98.3%)、「暴動罪でデモ参加者を検挙するやり方に不満」(88.4%〜91.0%)、「[警察に対する]独立調査委員会の設立要求」(81.0%〜94.9%)と、これらは「きわめて重要」としている。

権力への反対運動は日を追うごとに高まり、警察とデモ参加者の衝突は激烈なものとなっていった。調査は去年9月までの時点で、52%のインタビュー回答者が「デモ参加者が武力を使ったことはあっても、この運動への見方は変わっていない」としています。33.9%が運動に対する見方を変えたとしている。

デモ参加者の激烈な行為についても、インタビュー調査は受け入れの程度が違うことを示している。

警察の発表では、先週木曜日(5月7日)までに累計8,337人が逮捕されたとしている。報告書では警察側の強硬な策略が事件を収束させることが出来ず、むしろ一部のデモ者を激化させることになったと指摘。8月の調査では、多くの回答者(72.6%〜80.4%)が、警察が大量の逮捕を行うのをみて、デモ参加への意志を高めたことを示している。

報告は「運動は今後も続き、その原因は多かれ少なかれ政府と警察のデモ参加者への対応のやり方に起因している」と結んでいる。

出典: 蘋果日報 アップルデイリー 更新時間 (HKT): 2020.05.18 02:20

https://hk.news.appledaily.com/local/20200518/ZPJ4DY3ECCGEKFGADACTGYJXWU/