【香港ローカル ニュース Vol. 34】

一時の落ち着きから、感染が再び拡がりを見せつつある香港。香港政府が様々な施策を打ち出し、何とかこの状況を打破しようとしています。現状から感染拡大対策まで、今週のメディア記事の中から、いくつか注目すべきものをピックアップしました。

香港政府行政会議メンバーが必要不可欠でない企業の臨時休業を促す
 これまで数回に渡り、香港政府は新型コロナウイルス防御対策を打ってきたが、どうしても抜け穴があるため、行政会議メンバーは、新たな感染拡大の波が来ることを前提に、さらに措置を拡大する場合があると述べた。これには、生活に必要不可欠ではない企業の臨時休業、飲食店の店内での飲食の禁止などを含む。700万の香港人すべてが心を一つにして防疫に当たるべき時であり、政府の施策から逃れるようなことがあってはならないとしている。

 行政会議の招集人である陳智思は日曜日のラジオ番組にて、欧米での感染拡大の状況悪化から、香港も再び感染爆発の波を迎えており、多くの人々がボーダーコントロールの強化や香港非居住者の香港入境を禁止する事などを求めている。しかし、今問題になっているのは、2%の外国人ではなく海外から帰還した香港人が地域社会の感染源であることだ。飲食業をテイクアウトだけに制限することや、生活に不必要な企業を臨時休業させることもあり得る。多くの市民が家に閉じこもる状態になり、パニックを起こす可能性もあるが、状況の悪化を見たくなければ、そのような措置も避けられないと述べている。

 行政会議メンバーの林正財の指摘によれば、香港で感染確認者の半数あまりが自分の感染を知りながら友人との会食やエステに行ったりしていることがわかっており、病気の症状が出た市民には重ねて外出しないようにと呼び掛けている。感染のコントロールは政府の活動だけでは不可能であるので、市民全体がかつての生活を取り戻すために皆が一致団結してほしいと述べている。

出典:東方日報 Oriental Daily

https://orientaldaily.on.cc/cnt/news/20200406/00176_008.html

袁國勇(ガブリエル・ユン):「伝染病の今のステージは予断を許さない。軽度の感染者のテストが不足」

 博愛医院での院内感染が確認され、香港大学微生物学部客員教授の袁國勇ガブリエル・ユンは、これをある種の警鐘だとしている。一日の感染者確認数は数十件から十数件に下がったが、一桁台に落ち着くまで警戒を解いてはならないと述べた。

 行政会議メンバーの林正財は、政府は引き続きウイルス検査の範囲を拡大しており、検査ポイントを公立病院と一般に民間クリニックにまで広げ、同時に空港では病状がない者にもすべて検査を行い、陰性が確認できるまでは指定場所から出られないようにする計画も行われていると述べた。

 検査の要員や検査器具についても取り組み、民間の化学検査所や、個人開業医のクリニックにもウイルス検査機器を設置することも視野に入れているとのこと。

出典:【Now新聞台】2020年4月5日 10:35

https://hk.news.yahoo.com/%E8%A2%81%E5%9C%8B%E5%8B%87-%E7%96%AB%E6%83%85%E7%8F%BE%E9%9A%8E%E6%AE%B5%E4%BB%8D%E7%84%B6%E4%B8%8D%E6%A8%82%E8%A7%80-%E5%B0%8D%E8%BC%95%E5%BE%AE%E7%97%85%E6%82%A3%E6%AA%A2%E6%B8%AC%E4%B8%8D%E8%B6%B3-023543707.html

25日にわたる感染拡大。感染の連鎖が断ち切れない。バーでの感染クラスターが87件確認され、地域社会での感染源となる。

 香港政府行政長官が香港のロックダウンを遅々として進めなかったために、ここ数日来のバーでの感染クラスターを生む遠因となった。感染者がバー職員だけでなく、その家族にも出ていることから、既に広範囲の感染拡大が起きているとみられる。

バーでの感染クラスターは増え続けており、この週末も多くの人が外国人香港居住者で賑わう飲食店で豪快に飲んでいる。 (撮影:馬泉崇)

先週日曜日の新規感染確認者は28人、通算891件となる。新規確認の内、25人は潜伏期間中に海外にいて、13人が留学生。感染に関連した飲食店はDusk till Dawn(香港島ワンチャイのダイニングパブ), Insomnia(香港島セントラル、蘭桂坊ランクワイフォンのレストラン) の2店と明らかにされている。
 バー・飲食店での感染件数が87件で、香港での感染の1割を占めている。バー関連感染クラスターの最初の者である、182番の感染者から計算すると、3月11日に症状が出て、4月5日までに25日が経過して、新規感染者が続いており、感染連鎖が止まっていないことがわかる。

 医学会伝染病顧問委員会主席の梁子超の指摘では、案件の一部は隔離した後にテストで陽性になったもので、これは封じ込めが出来ている。当局がトラッキングしているのはバーのミュージシャンや従業員の感染連鎖から始めたもので、バーの顧客の感染連鎖には着手出来ていないので、ウイルスが顧客を通じて他の飲食店に伝染させた可能性はある。「個別には他のバーで感染急増があっても、(今回名前の挙がっているバーの感染クラスターによるのかどうかは)確かとは言えない」と同氏は言う。

 また感染爆発というべき状況に至っていないのは幸運であり、今の措置の状態でクラスター感染の急増がなければ、感染連鎖を弱めることが出来る。

 全体的には、新規感染者の数値が一桁台にまで減少しない限り、正常な生活の回復ということは出来ないと政府筋は考えている。一旦状況が悪化すれば、人口の密集している香港では処置が施せなくなる。

 また、先般、イミグレーション職員の女性に感染確認がされた。2月22日以降の出勤はなく、女性は2月24日から3月3日まで家族でトルコ旅行に行っており、父親が感染確認されて隔離センターに収容された。家族は4月3日に隔離期間が終わり、その時点で女性の感染がわかったもので、トルコでの感染ではなく、家族間での感染と見られている。

バーでの新規感染クラスターの事例3件

検疫センターに宿泊あるいは自宅隔離している身柄であったり、バー関連の仕事をしている者との濃厚接触があったことがわかる。

出典:【アップルデイリー】

https://hk.appledaily.com/local/20200406/FFNMEI2LRUY242M2CYNJDTZ6KE/