【香港ローカル ニュース Vol. 19】
逃亡犯引渡条例改定反対運動の余波
200名を超える香港人抗議活動参加者が台湾へ渡航潜伏、公正な司法扱いが得られないことを危惧か。
逮捕された抗議活動者の弁護士であるChris Ng氏は、抗議者たちはひとつのレンガを投げるだけでも10年の禁固刑になる場合があることを知っており、「もう、香港の司法制度への信頼は全く失ってしまった」と嘆いていることを指摘している。
アメリカ『ニューヨークタイムズ』紙は、逮捕されると公正な裁判を受けることが出来ないことを恐れて、200名超の香港人抗議活動参加者が台湾へ渡ったと伝えた。
この政治的亡命のような避難行動を取る香港人の背景には、正式な司法の場である法廷での起訴・裁判の前に、警察の拘留所内での暴行や虐待が伝えられている事がある。病院での治療が必要な負傷をした人たちも、入院先の病院から警察が抗議活動参加者を強制的に連行する事例があったため、落ち着いて入院することも出来ない。
報道によると、前線の抗議活動者は自分たちの仲間2名が逮捕されたのを見て、台湾に逃亡する手助けをしてくれる組織にネット上で助けを求め、3人で台湾に渡ったのだと言う。そのうちの1人は「今避けようとしているのは香港の法律制度です。いったい何が起きているのかをチェックしているほどの余裕はありません」。
報道では、そのうちの1人の女性の抗議活動者は、身柄拘束を2回経験しており、もし最終的に判決が出たら、少なくとも10年の服役になるので、台湾亡命を決めたという。そのほか、抗議活動者によってはパスポートを没収されているので、漁民に1人当たり1万米ドルを払って、船で台湾へ密入国するしかないという。ある組織が、抗議活動参加者に安全な隠れ家と逃走経路を確保しているといった事や、また亡命者の為の飛行機のチケット費用を申し出る、心ある人も中にはいるという。
逮捕された抗議活動者の弁護士であるChris Ng氏は、抗議者たちはひとつのレンガを投げるだけでも10年の禁固刑になる場合があることを知っており、「もう香港の司法制度への信頼は全く失ってしまった」と嘆いていると指摘している。台北で牧師をしている黄春生氏(54歳)は連絡窓口となっており、香港抗議者の逃走プランについて香港サイドと協力しているが、「突如現れる信徒には、慣れっこです」と冗談めいて話す。22年の牧師生活でこれほど大規模な逃亡劇は見たことがないそうだ。
情報筋では、正規のルートで台湾に抗議活動者が渡ってから、台湾政府は毎月ビザを発行し、何度か更新が可能。台湾側協力者である弁護士は現在のところ政治亡命の申請が下りたケースはないとのこと。
出典:
星島日報Sing Tao Daily 電子版から 2019-12-08 22:06香港 http://std.stheadline.com/instant/articles/detail/1155644/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E9%A6%99%E6%B8%AF-%E4%BF%AE%E4%BE%8B%E9%A2%A8%E6%B3%A2-%E7%B4%90%E6%99%82-%E9%80%BE200%E9%A6%99%E6%B8%AF%E7%A4%BA%E5%A8%81%E8%80%85%E6%86%82%E4%B8%8D%E7%8D%B2%E5%85%AC%E5%B9%B3%E5%AF%A9%E8%A8%8A%E8%80%8C%E6%BD%9B%E9%80%83%E5%8F%B0%E7%81%A3