香港不景気の中で勝ち星をあげる日系ファストフード

コロナ禍から続く世界的な不景気は、香港の飲食業界においてはとりわけ深刻化している。昨今、香港のメディアなどで目にする「北上消費(香港人が中国内地に出向き消費すること)」や「結業潮(閉店ブーム)」という言葉からもわかる通り、弱者は滅び強者だけが生き残れる、難しい時代にさしかかっていると言える。

一方、最近SNSでも話題となっているのが日本の牛丼チェーン「松屋」の香港初出店ニュース。店舗周辺には長蛇の列がなしているのを様々なメディアが伝えていた。同様に「すき家」や「吉野家」も香港人に大人気で、ファストフード界は依然活況であることがわかる。無論、ピーク時の「スシロー」はウェイティング客であふれており、「合点寿司」の出店ニュースにもSNSは沸いている。

香港の消費層は今、消費欲旺盛なアッパー層の多くが移民し、中間から低層に属する人々で支えられている話を聞く。つまり、日本食ファストフードに限らず、低価格でよいものを求める時代の流れがさらに強まっている。飲食店は様々な手を使って起死回生をはかる必要があるだろう。