世界4大会計ファーム・PwCに罰金命令

中国大手ディベロッパー恒大不動産の不正会計に関与した会計事務所PwC(プライスウォーターハウスクーパーズ)は、中国証券監督管理委員会と財政部から総額4億4千万元以上の罰金と半年間の停職処分を受け、広州支店も閉鎖された。香港会計財政局は、PwC香港に対する独立した調査は継続すると発表。

今年5月に恒大不動産が金融詐欺容疑で中国証券監督管理委員会から41億元を超える高額罰金を科せられたことを受け、中国証券監督管理委員会と財政省は、恒大不動産の監査に関与したPwCを処罰すると発表した。

中国証券監督管理委員会は、PwCが2019年~20年にかけて恒大不動産の監査中に多くの基準や要件に違反し、大規模な財務不正を発見できなかったと指摘。 約8割の不動産プロジェクトの監査記録は実際のデータと一致しておらず、立ち入り検査で引渡対象とされた不動産物件のほとんどは実際には完成して引き渡されておらず、中には「更地」となっていた報告がなされている。

このため、中国証券監督管理委員会は、PwCに対して2億9000万元以上の罰金を科し、関与した事業収入総額3億2500万元を没収することを決定した。

財務省は、2018年から2020年の監査過程で、PwCとその広州支店は恒大不動産の財務諸表に重大な虚偽記載があることを認識していたが、それを特定できず虚偽の監査報告書を作成したと指摘し、同社に罰金を科した。総額1億1,600万元の不法利益を没収後、警告を発し、6カ月の業務停止や広州支店の閉鎖、および関与した会計士4人の資格を剥奪した。

景気減速を受け中国では不正事案が増加傾向にあるようだ。今回のニュースのように大手を厳罰の対象とし、監査局はさらに取り締まり強化の姿勢を強めていくだろう。

ニュースソース:

中證監:普華永道審計恒大地產時違反多項準則 | Now 新聞