【香港ローカル ニュース Vol. 87】
様々な不自由の中、何とか無事に東京オリンピック2020競技が終わりました。ワクチン接種、ウイルスへの対策など未だ一般人には何が正しい情報なのかわかりかねる部分もある気がしますが、ワクチン接種をネタに高齢の方々に詐欺を働く人がいるので警戒が必要という話を聞きました。
香港でも、ワクチン接種人口の増加とともにロックダウンの緩和で町にも賑わいが戻って来ました。飲食業・バーなどでも、従業員に全員ワクチン接種をさせて深夜まで営業できる営業形態タイプCを選び、懸命に営業努力しているところもあります。多くの飲食店は店内飲食が9時で終わり、その後はお持ち帰りの販売のみとなります。このように企業もまもなく第三4半期を間近に迎え、ビジネスの立て直しに罹っているところです。そんな機運の中、求職者向けにワクチン接種証明書を偽造販売したという事件のニュースです。
▼600ドルでワクチン接種証明書偽造し、接種済を条件に求人する企業をだます。警察は男女三人を逮捕(48歳ベトナム人女性の首謀者とその14歳の息子を含む)
〜『香港01』(週刊新聞)の電子版より 撰文:曾海帆 蔡正邦 出版:2021-08-15 12:38 更新:2021-08-15 18:55〜
新型コロナ肺炎が長引く中、求人の際にワクチン接種済み証明を求める企業は少なくないが、あるベトナム籍の清掃業職員の女性がワンストップサービスで、IDカードとワクチン接種証明書を偽造し、同国人が求職の面接で企業をだます幇助をし、一件につき約600ドルの報酬を受け取っていた。警察は13日金曜日に男女三人を逮捕した。警察は11枚偽造ワクチン接種証明書、3枚の偽造医師診断書、21枚の偽造PCR検査報告書類のほか、45種のワクチン接種記録の偽造パソコンデータフォルダーを押収した。逮捕された者のうち二人の女性は既にそれぞれ文書偽造などの罪で起訴されており、16日に九龍城裁判所にて審問が開始される。
逮捕されたのは女性2名男子1名(14歳から48歳)、それぞれ清掃業職員、学生、写真現像店の責任者で、その内一人のベトナム籍女性(48歳)はこのグループの首謀者であり、西九龍一帯で活動していた。13日の夕方6時ごろ、このベトナム籍女性が14歳の息子を連れて九龍湾リージェント・ガーデン付近のショッピングモールで、書類一式をある写真現像店に渡し、41歳の店舗責任者が女性から現金を受け取ると、女性はその場から離れた。
現場で待ち伏せしていた警官がタイミングを見計らい、出て行って身分を明かし、そのまま三人を逮捕した。その内41歳の香港人女性と14歳の学童は、文書偽造の疑い、48歳のベトナム人女性は文書偽造、偽造身分証カード所持、他人名義の身分証カードと虚偽文書の所持の疑い。
パソコンから、45種のワクチン接種記録偽造ファイルを発見し、パソコン・プリンタを押収した。その後、ベトナム籍女性は湾仔の家宅捜索に連行され、警察はさらにもう一枚偽造ワクチン接種証明書、二枚の偽造身分証明カードと他人の身分証明カードを押収した。
『顧客』の多くは証明書のないベトナム人
消息によれば、このグループの『顧客』の多くは証明書を所持していないベトナム人で、香港での就業の為に偽のIDカード・ワクチン接種証明を買い求めて、仕事の面接を切り抜けようとしたもの。
油尖(油麻地ヤウマーテイ・尖沙嘴チムサーチョイ)警察巡区の重要事件グループ第三チームの女性高級督察(日本の警部に相当)Senior Inspector of Police – sub unit commanderである陳嘉寶の信ずるところによると、一部の偽接種証明書は既に市中に出回っており、偽物と本物の見た目はほとんど特別な違いがなく、一般人には区別しにくい。陳警部は、求人している企業に対して、求職者が面接に来た際にはQRコードや政府のアプリLeaveHomeSafe「安心出行」で証明書の情報を読み取り真偽の確認を呼び掛けている。ワクチン接種証明書はQRコードスキャンをすると接種を受けた人の氏名・IDカードナンバー・接種の日付が表示される。
14歳の学童は保釈を受ける
逮捕された41歳の香港人女性は既に文書偽造罪で仮検挙され、48歳のベトナム人女性も文書偽造と虚偽文書所持・他人の身分証所持の疑いで仮検挙されている。事件は16日午前九時に九龍城裁判所で審問が始まる。14歳の学童は既に保釈を受けて後日事情聴取待ちであり、今月下旬に警察へ出頭することになっている。