【香港ローカル ニュース Vol. 60】
◆ファイザーのワクチンの安全性に懸念あるも、香港政府は三月から高齢者向けに投入開始予定
新型コロナの感染拡大で、各国政府は市民へのワクチン接種の準備を進めているが、各地でワクチン接種の副作用や死亡に至ったケースが出ている。ノルウェーでは新たに6人のワクチン接種後の死亡が伝えられており、累計で29名の死亡者となった。イスラエルでも、13人が接種後に顔面麻痺の副作用が出ている。これから初のワクチン投入となる香港では、優先的に接種を受けることになるグループ医療関係者と高齢者の中でも、高齢者がモルモットになるのではとの疑念が出ている。香港行政会議のメンバーのある人は、「ワクチンの顧問専門家委員会が今日、ワクチン使用の申請とその安全性の討議をする」と言っており、また旧暦新年明けに市民一般への接種を始める見込みであることを明かしている。
ノルウェーでは、新たに6名が米国ファイザー製薬とドイツBioNTech社が合同開発した新型コロナワクチンを接種後に死亡しており、これまでの累計29名に上る。関連する年齢グループは80歳から75歳に下がった。ノルウェイ薬品管理局によれば、同国では現在のところ上記のワクチンのみを使用しており、死亡のケースはこのワクチンと関連があると見ている。
同管理局の指摘するところでは、13件の死亡ケースの評価を終えているが、どのケースも重篤な病状で、多くの死亡者にはワクチンに予期されていた副作用が出ており、むかつき・嘔吐・発熱が含まれており、接種後は患者の慢性疾患も悪化していた。
イスラエルでは、先月末から大規模な市民一般に対して米国ファイザー製薬とドイツBioNTech社〔中国からの投入済み〕が合同開発した新型コロナワクチンの接種を開始しているが、14日木曜日までの時点で200万人近くが一回目のワクチン接種をしており、そのうち少なくとも13人がワクチン接種後に顔面麻痺の副作用が出ている。しばらくしてこうした症状はなくなったものの、専門家は接種第二回の投与を差し控えている。
ワクチン接種には最低３週間の準備が必要
香港でも、来月より一般市民へのワクチン接種が予定されており、香港で初回の使用予定ワクチンは、大陸の復星（上海復星医薬〔復星Fosun International 系列の会社で、これまでにドイツ・フランス・スペイン・イスラエルの医薬製造メーカーの買収を行っている〕）とドイツのBioNTech合同のもの。香港行政会議メンバーの林正財(医学博士)がテレビ番組出演の際に話したことによると、「ワクチン接種の手順は複雑で、準備に最低でも三週間が掛かるので旧暦正月明けを目標にして、専門家チームがワクチンの安全性の審議をしている」と強調した。準備が整い次第、政府は病院の入院患者棟に人員を配置して高齢者にワクチン接種を開始する予定であり、またそれに先立って1、2箇所の病院入院棟でプレゼンテーションを行い、全体のフローをチェックするとのことだ。
高齢者の状況は個別の臨床評価が必要
上記の林氏の弁によると、「医療専門家と医薬品業界それぞれが、老人ホーム入居の高齢者向けのワクチン接種のためには、医療スタッフが訪問して、高齢者一人ひとりの臨床評価をした上でワクチン接種を行うよう提言している」とのこと。医療スタッフは、少なくとも30分は経過観察をし、入院患者に副作用が出ていないかに注意する。同氏の指摘では、「専門家の意見のアドバイスを取り入れ、感染とワクチン接種のリスクをバランスさせた後、高齢者に初ロットのワクチンを優先的に接種させるべき」と述べている。
政務司司長 Chief Secretary for Administration である張建宗Matthew Cheung Kin-chung が、日曜日にブログで「政府は、ワクチンを使う時に適法に行うという要求を審査中であり、また専門家の意見の聞き取りをして、ワクチンの安全性・効能・クオリティの要求を確保するのだ」と述べている。
町中には異なる種類のワクチンの情報が流れていることにも触れ、「あるものは情報が皮相的だったり正確でなかったり、引いては虚偽や誤解を招く情報が含まれている場合さえあり、市民は実証確認されていないネット上の情報を安易に信じないように」と市民に呼びかけている。
ニュースソース： Yahoo!ニュース（香港版）に転載された東方日報 Oriental Daily 2021年1月18日週一 上午5:45· 2分鐘文章