【香港ローカル ニュース Vol. 58】

カレンダーは変わりましたが、香港は旧暦で新年を祝うので、デパートやショッピングモールのセールが「クリスマス大特価」から「旧正月前セール」と名前が変わった以外には特に変わったこともなく、公休日の2日からは平常運転です。

そんな中で、やはり市民の関心は新型コロナによる社会生活への影響です。新年明けて皆の関心は1月10日まで延長になっていた教育機関の対面授業停止延長がどうなるか、ワクチンがどうなるか、ロックダウンや飲食店などへの営業制限がどうなるかです。

以下、三つの観点で2021年最初のニュース紹介をして参ります。

■電子式キット今月登場予定。各センターはワクチン一種の提供のみ

香港政府はQRコードを使った「安心出行(LeaveHomeSafe)」アプリを提供し、市民がスマートフォンで飲食店やタクシーなどを含む公共スポットへの出入りを記録してもらうことで、感染リスクのトラッキングを始める。アプリは無料ダウンロード開始済み。現状では公共施設や飲食店などの入り口でスマートフォンでQRコードをスキャンして自らの行動記録を残し、その途中にリスクの高いスポットがあった場合は、アラートがリアルタイムで表示される。店舗向けのQRコードのオートセンサーつきデバイス設置の詳細はまだ不明。

アプリの使い方を紹介するYouTube

アプリ紹介の政府ウェブサイト

https://www.leavehomesafe.gov.hk/tc/  中国語

https://www.leavehomesafe.gov.hk/en/  英語

香港政府が先日、モバイルアプリを提供することで、コロナウイルスワクチンやウイルス検査の状況を記録できるようにすると発表があった。創新及科技局(イノベーション・テクノロジー事務局、以下ITB)の局長 薛永恒(アルフレッド・シット)氏が日曜日発表したところでは、「電子式キット」を今月中にも打ち出すとのことで、これはワクチン接種の予約や接種記録をする記録システムを市民に提供するもの。ワクチン接種センター一箇所でワクチン一種類の提供を行う。これと別に、事務局では「安心出行(LeaveHomeSafe)」モバイルアプリのアップデートも研究中であるとのこと。これは現状のモバイルアプリが店舗やタクシーなどで掲示してある指定のQRコードを市民がスマーフォンで読み込む形であるのを、オートセンサーシステムを導入することでトラッキングを自動化するという。

政府提唱の市民の行動を記録するトラッキングアプリにGPS所在地機能を付加

同氏が指摘したところでは、「現時点ではワクチンの効力がどれぐらい持続するのかも未知で、政府もポイントを探り探り前進の状態であり、今後、一般市民が再度接種を受けるにしても、ワクチンは数回に分けて行う必要もあると思われる状況なので、ITBでもシステム開発を行い、一般市民がワクチン接種の時間の記録や予約をする便宜を図りたい」としている。「ワクチン供給面の問題から、一箇所のワクチン接種センターは一種類のワクチン提供に限られるので、市民が希望するワクチン接種の為には適切なセンターを選ぶことが必要だ」とのこと。

「安心出行(LeaveHomeSafe)」モバイルアプリについては、そのリリースの時から外部から有効性に疑念が持たれている。同局長によると、現在41万人あまりが同アプリをインストールしていて、6.7万箇所のスポットにこのプランの参加団体・店舗があるという。同氏も外部からはQRコードをスキャンするのが面倒だという声があることは承知しているが、アプリがオートセンサー機能を持たせれば一般市民はある場所に行くだけで自動的に記録ができることになるといっており、またアプリを使う・使わないは市民自身の選択しだいである点を強調している。アプリ投入の当初からプライバシー保護の問題を考慮してきたが、市民の間でアプリ使用に慣れてきて信用度も高まってきたので、プライバシー保護の重視を強調する一方で、同アプリが市民の便宜に役立つものとなることを願っているので、今回グレードアップしたエディションを開発中であり、各スポットのどこにオートセンサー導入するのか、また精細度をどのように高めていくかを研究中であるとのこと。‎

このほか、香港政府が示すところによると、先月31日午後2時30分以降、衛生局・病院管理局・各コミュニティー検査センターが提供する検査サービスの電話SMSを受け取って、未感染であるとの検査結果を通知した後、システムのウェブサイトを通じて、IDカードナンバーとサンプル瓶のシリアルナンバーを入力すれば、検査結果を電子的にダウンロードできるようになっている。香港政府は今月上旬にも民間の医療検査センター機関が開催する紹介セミナーに合わせて、今回の政府の電子検査記録システムもプレゼンをして、市民が民間の検査サービス機構で検査を行った場合でも、政府のシステムを通じて検査結果をダウンロードできるようにする。

ニュースソース:東方日報 Oriental Daily

2021年1月4日週一 上午5:45 [GMT+8]·2 分鐘文章

https://hk.news.yahoo.com/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E9%87%9D%E6%AA%A2%E5%8D%A1%E6%96%99%E6%9C%AC%E6%9C%88%E6%8E%A8%E5%87%BA-%E6%AF%8F%E9%96%93%E4%B8%AD%E5%BF%83%E5%8F%AA%E6%8F%90%E4%BE%9B-%E6%AC%BE%E7%96%AB%E8%8B%97-214500521.html

■ワクチンの有用性に疑問 四割の青年がワクチン接種を希望しない

「青年新世界」の調査が明らかにしたところによると、30歳以下9割近くのアンケートを受けた青年は、香港政府の防疫ウイルス感染予防措置に不満と答えており、5.2%のみが「だいたい満足」と回答しているだけで、「非常に満足」と答えた者はいなかった。40.8%は武漢肺炎(=新型コロナウイルス)ワクチンを受けるつもりはないと回答しており、必ず接種を受けるとしたのは8.2%しかいなかった。このほか、54.1%のアンケート対象者は香港政府が進めようとしているモバイルアプリ「安心出行( LeaveHomeSafe)」をインストールすることにも反対している。

9割近くの成人は政府の感染防止対策に不満

「青年新世界(Youth New World)」(民間ベースの底辺層青年向けのボランティア団体)の調査は、去年12月23日から31日に掛けて30歳以下の香港の青少年412人を対象にネット上でのアンケート調査を行い、そのうち69.2%の回答者は武漢肺炎(新型コロナウイルス)感染を心配する傾向にあり、二割は「とても心配」。アンケート回答者中、政府の防疫感染防止対策について、57%と30・4%がそれぞれ「非常に不満」「かなり不満足」と回答しており、あわせると87.4%となり、九割近くに上り、僅かに5.2%が「まあまあ満足」であると回答するだけで、「十分満足」と回答したものは0人だった。

ワクチンは早ければ来月から接種可能となるが、40.8%の回答者は「接種を受けるつもりはない」としている。「必ず受ける」と回答したものは8.2%にとどまった。ワクチン接種をしないと解答した者では、「ワクチンの有効性に疑問がある」が一番多く、「ワクチンの副作用が心配」「接種するワクチンの生産地が選べない」がそれに続いた。

創新及科技局(イノベーション・テクノロジー事務局、以下ITB)の局長 薛永恒 ‎アルフレッド・シット氏が明言したところでは、香港市民に「安心出行(LeaveHomeSafe)」アプリダウンロードを強制することも排除しない状況であるが、調査では54.1%がインストールに反対しており、18.5%の支持しかない。このほかPCR検査については、44.6%が市民一斉強制検査に反対しており、支持に回ったのは32.2%の人だった。今回の調査によれば、55.4%が「現時点での政府の防疫感染防止対策がゆる過ぎる」と感じている。また、51.9%は「香港の未来の経済動向に期待が持てない」としている。

頼るべき選択肢のない状況で、香港大学微生物学科講座教授袁國勇(医学博士・微生物学者・伝染病学者)氏は、青少年の間では「最も信頼できる専門家・学者・香港政府高官〔実際には政府招聘の顧問団のメンバー〕」と目されており、アンケート回答者4分の1からも信頼を受けている。一方、政府機関の衛星防護センター伝染病所主任の張竹君は、政府発表記者会見には必ず登場する人物でありながら9%の人からしか評価されていない。

ニュースソース:Apple Daily
https://hk.appledaily.com/local/20210104/LIE5VTRGLBB3BNAT7YID7MSCC4/?fbclid=IwAR0n3DDPAjyApzCO5SHNsiaDQn7cSjSa0nxHUAqzN-dKmZdtBdZoRV89E40

香港政府202114日「新型コロナウイルス感染事案更新状況記者会見」での、食物及衞生局局長陳肇始(食品・衛生局局長Sophia Chan Siu-chee)による発表

食物及衞生局局長陳肇始ソフィア・チャン(香港大学教授、看護学)が香港での新型コロナウイルスの感染状況について最新統計数字を記者会見で公開するとともに、政府の最新措置を発表した。記者会見には政府高官計6人が登場し、それぞれの立場から政府の把握しているウイルス感染の全体的な状況、感染者隔離病棟・医療の現場や教育機関での措置、フィリピン人・インドネシア人を主とする家庭内家事ヘルパーへの防疫施策規定を徹底する活動などについてコメントを述べた。

飲食店やダイニングバーなどの営業も集合制限条例の下にあり、店内飲食は一律午後6時までとされ、その場合も1テーブル2人まで、レストラン1店舗は収容可能人数の半数のみ入場とされ、午後6時以降は持ち帰りとなる。24時間営業のマクドナルドも同様に時間帯に応じて持ち帰りのみとなっている。
店内飲食の施設がないドンキホーテは、24時間営業で深夜でもかなり密な人出となっている。

1月10日までされていたソーシャルディスタンス遵守の措置は、即時1月20日まで延長され、小中学校(日本の高校教育を含む)対面授業暫時停止は旧暦新年まで延長とされた。

食物・衞生局局長陳肇始ソフィア・チャンは、香港では、12月21日から1月3日までに812件の感染確認者を記録しており、その九割は当地内での感染事例であり、感染経路が不明な事案は全体の三分の一を占めていると述べた。見えない感染連鎖が依然活発であり、新規感染事案の数が低下が緩やかであるため、現行の防疫措置を延長することに決定することになった。会見では手洗いの励行やマスクの着用などの呼びかけを続けるほか、院内感染を避けるため発熱など特徴的な病状が出ても病院に殺到するような性急な行動を避けることなども述べられた。公共衛生に関わる会見の要点は次の4点:

・2人を上限とする集合制限条例(限聚令)、マスク着用条例などソーシャルディスタンスの措置を 1月20日まで延長。

・旧暦正月前にソーシャルディスタンス措置を緩和するチャンスは低く、感染状況が悪化するなら、措置を更に厳格化する可能性もありえる。

・小中学校および幼稚園での対面授業暫時停止措置を旧暦正月まで延長する。

・教育局(日本の教育委員会と文部科学省に該当)は小中学校および幼稚園の教職員の希望者に無償でウイルス検査を提供する。

‎ニュースソース:LINE TODAY (SNS ライン香港の文字ニュース) 2021年1月4日

https://today.line.me/hk/v2/article/%E3%80%90%E7%9B%B4%E6%92%AD%E3%80%91%E7%A4%BE%E4%BA%A4%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E6%8E%AA%E6%96%BD%E5%BB%B6%E8%87%B31%E6%9C%8820%E6%97%A5%E3%80%80%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E5%AD%B8%E5%8F%8A%E5%B9%BC%E7%A8%9A%E5%9C%92%E7%B9%BC%E7%BA%8C%E6%9A%AB%E5%81%9C%E9%9D%A2%E6%8E%88%E8%AA%B2%E8%87%B3%E8%BE%B2%E6%9B%86%E6%96%B0%E5%B9%B4-EwvjrQ?utm_source=fbshare&fbclid=IwAR2rZVDuE_4jIMV0lcF34eUDkN-5finwC29ksZPsuqzFHanZuiDcH4PGMrk

1時間超に及ぶ‎記者会見ライブ配信のアーカイブ映像:

https://www.facebook.com/watch/live/?v=786113798646994&ref=external