【香港経済を追え vol. 34】
香港失業率が予測以上に下げ傾向に転落も、「コロナ感染第四波の下で更に上昇の可能性がある」とアナリストの分析
香港労働市場は改善が見られ、失業率は予想を超えて6.3%まで下がり傾向に戻った。ただ、分析によれば、政府の発表などは現在進行中の第四の感染拡大の波を反映しておらず、この先失業率が上がる可能性もあると言われている。
香港政府が、つい最近もソーシャルディスタンスを引き上げる措置を出したこともあり、市場がかねてより予期していた16年来で最高レベルの失業率が、更に上昇を継続しそうだ。
一方、政府の最新発表の数字で、アナリストの多くが驚いたことがある。それは九月から十一月の失業率はわずかに0.1%から落ちて6.3%になった。同時期に香港で失業者全体数は1.3万人あまりが減って、24.4万人となった。同時に休人募集率は0.4%下がって3.4%になった。
各業界の中で一番の激震地は、消費と旅行関連業種で、失業率は1%あまり下がって10.1%となった。その内、飲食関連業の失業率は1.7%再度下がって13.1%となった。
ほかの多くの業界では失業状況に若干の改善があったのは、特に教育・芸術娯楽・レジャー活動関連業界。
アナリストの意見では、この数ヶ月間、市民の消費意欲がローカル経済の後押しになってはいるが、今後数字が上がることもあるので警戒を呼びかけている。
DBS(シンガポール開発銀行)香港経済研究部アナリストの謝家曦Samuel TSE氏は、「感染拡大第四の波が発生し、そこへ就業保障スキーム(政府から中小企業への補助金)が終わり、失業率はもう一歩上昇する可能性があります。解雇の連鎖もあるかもしれません。政府が第二弾のどんな有効な刺激策を行えるかに注目したいところです。ただ、規模が40から50億香港ドルということなら、前と比べて(規模の面で)大きいとは言えないでしょう」とコメント。
労働及び福祉局の局長である羅致光LAW Chi Kwong氏は、「最近のウイルス感染状況に鑑みて、労働市場の短期的なプレッシャーはさらに上昇すると見込まれ、政府は必要に応じて効果的な措置を打ち出して、打撃の重い業界を支援するだろう」と述べた。
労働及び福祉局の局長 羅致光
ニュースソース:
2020年12月17日 18:09【Now新聞台】
https://news.now.com/home/local/player?newsId=416974
人の移動が活発になることで感染拡大するため、香港政府は感染人混み密集阻止に外出禁止令を出す可能性も
香港政府が、ソーシャルディスタンスを引き上げて数日経過したが、コロナウイルス肺炎感染確認者の数字は以前高いレベルで止まっており、政府のプロ顧問を兼任する中文大学医学院呼吸系統科講座教授の許樹昌David Hui Shu CHEONGは、日曜日の出演したテレビ番組中のコメントで、「こうした現象はかねてよりのソーシャルディスタンス引き締めの措置が思うように成果を上げていないので、不要不急を扱うのではない商店の営業時間を制限したりするなど、人の動きをコントロールすることでローカルコミュニティーの感染連鎖を断ち切るよう検討を求めている」とのこと。学校の授業再開については、「対面授業中断の措置は元旦の後まで継続することが必要だが、感染確認者の数字が下がり、二桁台から一桁まで落ちれば、その時点で感染状況を考慮して新たに判断する」とのこと。
続く人も車も多い状態、最後の手段は外出禁止令も
同氏はまた、「現状では週末になると、街頭は人と自動車で溢れており、特にショッピングモールは買い物する市民が密集しており、市民の行動が感染拡大防止と同調できないならば、政府は英国の例に倣い、不要不急でない業種の商店の営業時間を6時間から8時間だけに制限することも考慮している。これには、ファッション店、ヘアサロンなどを含む。最後の手段を取らねばならないとすれば、『外出禁止令』を出す可能性までも検討しなければいけないかもしれない」と述べている。
政党によっては市民全員へのPCR検査実行を提唱するところもあるが、同氏は「技術的に無理であろう」としている。香港の市民すべてと企業がステイホームの法律に一致強調し、政府は市民が必需物資を供給しなければならないからだ。「現段階では感染防止措置から始めるべきだ」と同氏は結ぶ。
外来の感染ケースについては、英国で発生した変異種のウイルスが感染力を強めていると伝えられているが、同氏は「感染力が強まっても、患者で重篤な症状が増えているわけでなく、ワクチンも有効だ」と伝えている。香港へ到着した人がホテルでの検疫帰還を過ごしたら、家でさらに一週間自宅隔離して、第19日目のテスト結果が陰性であれば、状況は安定していることになるが、こうした検疫の要求を強制しなくてはいけないところが難しい。
対面授業再開はまだ先に。元旦以降に再度判定
学校授業の再開スケジュールについて許樹昌氏は、「新規感染確認者の事案が二桁台または一桁にまで落ちないのであれば、対面授業中止の現在の措置は当分継続することになり、元旦を過ぎてから様子を見て改めて判断する」とのこと。(12月21日夕方の発表で、元旦を過ぎても1月10日までは授業再開しないとの発表が出ています。)
ニュースソース:東方日報 Oriental Daily
2020年12月21日週一 上午5:45 [GMT+8]·2 分鐘文章